国益・国家の名の下に秘密裏に決裁、反対意見には耳を貸さず、新造語を連発し、嘘を通す──
日本社会の“いま”を浮き彫りにした フランス発ドキュメンタリー。
世界にナショナリズムの風が吹き荒れる中、2015年の公開作『天皇と軍隊』(2009年)で話題を呼んだフランス在住の渡辺謙一が、 国際関係史・地政学の観点から国内外の論客によるインタビューも交え、日本社会を誘う政治の正体、日本人にとってのナショナリズムを問いかける。
果たして、取り戻さなければならないものは何なのか。本当に知らなければいけないことは何か。日本社会を俯瞰することで見えてくるものとは――
ピエール=フランソワ・スイリ
1952年フランス生まれ。歴史学者。 1998年から2003年までフランス国立東洋言語文化大学で日本史を教える。 1999年から2003年は日仏会館フランス学長。現在はスイス・ジュネーブ大学文学部教授。 専門は日本中世社会史、日本近代思想史。アナール誌編集議員。主な著著に『La modernité japonaise dans tous ses états』(日本における近代化論, 1989)、『Nouvelle Histoire du Japon, Perrin』(新しい日本の歴史, 2010)、『Moderne sans être occidental:Aux origines du Japon aujourd'hui(西洋化ではない近代化、現代日本の起源)』など。
バラク・クシュナー
1968年アメリカ合衆国ニュージャージー州生まれ。歴史学者。 1990年ブランダイス大学卒業。岩手県に外国語指導助手として来日し、立教大学や東京大学、財団法人総合研究開発機構で研究、翻訳、編集に従事。瀋陽師範大学で西洋史の教鞭をとったのち、国立台湾大学留学などを経て、2002年米国プリンストン大学大学院で歴史学博士の学位取得。ディビッドソン大学歴史学研究科、米国国務省東アジア課等を経て、ケンブリッジ大学アジア・中東研究科日本学科准教授。主な著書に『検証 日本の「失われた20年」―日本はなぜ停滞から抜け出せなかったのか』(東洋経済新報社、2015年)〕、『思想戦―大日本帝国のプロパガンダ』(明石書店、2016年)など。
ミカエル・リュッケン
1969年スイス・ジュネーブ生まれ。歴史学者。 フランス国立東洋言語文化大学日本語学部教授。 パリ日本文化会館の出版担当などを経て、フランス国立東洋言語文化研究大学助教授、教授。同大学日本研究所所長。専門は日本近代文化史、思想史。2002年の著書『20世紀の日本美術』(三好企画)で渋沢クローデル賞を受賞。そのほかの著書に『1945ヒロシマ:資料としてのイメージ』(エルマン出版、2008年)、『中井正一論 日本における批判理論の誕生』(レ・プレス・デュ・レエル出版、2015)、『日本人と戦争』(コロンビア大学出版、2017)など。
白井聡 (しらい・さとし)
1977年東京都生まれ。政治学者。 2001年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程単位修得退学。2010年一橋大博士学位(社会学)を取得。日本学術振興会特別研究員等を経て、2015年より京都精華大学人文学部専任講師。専攻は、社会思想、政治学。 『永続敗戦論――戦後日本の核心』(太田出版、2013年)で第4回いける本大賞、第35回石橋湛山賞、第12回角川財団学芸賞を受賞。その他の著書に『未完のレーニン』(講談社、2007年)、『「物質」の蜂起をめざして』(作品社、2010年)、『「戦後」の墓碑銘』(金曜日、2015年)など。近著に『国体論菊と星条旗』(2018、集英社)。
山本太郎 (やまもと・たろう)
1974年兵庫県生まれ。自由党所属参議院議員。 1990年高校1年生時に『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の「ダンス甲子園」に出場し芸能界入り。1991年以降、映画やドラマなどで活躍。2011年3月11日に発生した東日本大震災後、反原発活動を開始。2013年7月、第23回参議院議員通常選挙に東京選挙区より出馬し当選。2014年12月、政党「生活の党と山本太郎となかまたち」に合流し、共同代表。2016年10月、政党名を「自由党」に改称、共同代表。現在、内閣委員会、予算委員会、東日本大震災復興特別委員会、資源エネルギーに関する調査会に所属。
山田宏 (やまだ・ひろし)
1958年東京都生まれ。自民党所属参議院議員。 都立国立高校を経て、1981年3月京都大学法学部卒業。1985年より東京都議会議員を2期務めた後、1993年第40回衆議院議員総選挙初当選。1999年東京都杉並区長選挙当選。2012年第46回衆議院議員総選挙2期目当選。2016年7月、第24回参議院議員通常選挙比例区で当選。主な著書に『日本よい国構想』『政治こそ経営だ』『慰安婦問題はこうして動いた』がある。
金平茂紀 (かねひら・しげのり)
1953年北海道生まれ。ジャーナリスト。 東京大学文学部社会学科卒業。1977年TBS入社、報道局記者として勤務。以降、一貫して記者、ディレクター、プロデューサーとして報道現場に携わる。1988年から「JNNニュースコープ」副編集長、1991年からモスクワ支局長、ソ連の崩壊などを取材。帰国後、1994年から『筑紫哲也NEWS23』編集長。2002年、ワシントン支局長として渡米。2005年に帰国後、報道局長。2008年TBSアメリカ総局長としてニューヨークへ。コロンビア大学東アジア研究所客員研究員として2年間在籍。2010年、執行役員、2016年3月に退任、TBSを退社。4月より同社顧問。2010年10月より『報道特集』のメインキャスター。
宋文洲 (そうぶんしゅう)
1963年中国山東省生まれ。経済評論家。 1985年に中国東北大学工学部を卒業後、北海道大学大学院に国費留学。天安門事件で帰国を断念し、札幌のソフトハウスに入社したが3ヶ月で倒産。その後、学生時代に開発した土木解析ソフトの販売を始め、92年ソフトブレーン設立。2000年12月に東証マザーズに上場。2005年6月東証1部上場を果たす。2006年に代表を辞任し経営から退く。著書に『やっぱり変だよ 日本の営業』(日経BP企画)、『ニッポン型上司が会社を滅ぼす!』(サンマーク出版)などがある。
喜納昌吉 (きな・しょうきち)
1948年沖縄県コザ(現・沖縄市)生まれ。ミュージシャン・元参議院議員。 1967年、国際大学(現沖縄国際大学)入学後、1968年に「喜納昌吉&チャンプルーズ」を結成、1977年にアルバム『喜納昌吉&チャンプルーズ』で全国デビュー。「ハイサイおじさん」「花〜すべての人の心に花を〜」などのヒット曲を生み出した。特に1979年に発表された代表曲「花〜すべての人の心に花を」は世界各国でカバーされ、2006年、文化庁の「日本の歌100選」に選定。2004年、第20回参議院議員通常選挙比例区に民主党から出馬し当選。2014年に民主党から除籍処分を受けながらも沖縄知事選挙に立候補するが落選。
伊佐真次 (いさ・まさつぐ)
1962年沖縄県美里村(現・沖縄市)生まれ。沖縄県東村村議員。 沖縄の伝統的な位牌「トートーメー」を製作する数少ない木工職人。1991年より東村高江に移住。米軍ヘリパット建設に反対する「ヘリパッドいらない」住民の会共同代表。この一連の反対運動は三上智恵監督のドキュメンタリー映画『標的の村』(2013)で全国に知られることとなる。2014年東村議会議員選挙に初当選。